New1TR’s blog

太極拳の事について書こうと思います。

506)外三合と内三合

太極拳が上手だからと言って、格闘の技が優れていると言うわけではない。

太極拳套路を習う時に、拳や掌で打つとか、引き込んで横に投げ飛ばすとかの表現が出て来る為、太極拳が格闘武術だと勘違いする人が居る。

しかし、太極拳の練習は格闘に勝つ為の技術を磨いている訳ではない。

太極拳の技は、相手が襲ってきたら逃げる・かわす・相手の力を利用して防御的に反撃をするといったもので、こちらから積極的に攻め込む技はない。

格闘武術と呼ばれるものは(スポーツもそうだが)強さ/優劣を競って、交感神経優位/アドレナリン分泌MAXの状態で行うが、太極拳は逆である。

副交感神経優位/放鬆(リラックス)した状態で身体を動かす事が要求される、非常に平和的な心身の鍛錬法だと考えるのが正しいと思う。

太極拳の修練は、技を磨いて相手に勝つ事ではなく、無意識の中に隠れている自分の身体の癖や歪を見つけ出して意識化し、身体中の骨/腱/関節が最大効率で働く様に姿勢を整え、行為目的の為に全身が協調して動く様な神経回路を開拓して行く事だ。

太極拳の練習を通じて、身体に歪みがなく、姿勢が整って居て、全身が滑らかに協調して動く、そんな身体を目指す事を太極拳では外三合と言うのだ。

次のステップで求められるのは、意/気/勁の内三合で、身体の中の事を言っている。
意とは、迷いなくある行為をしようとする意識の事。。。決意・意思・意図・一意専心
気とは、意を受けて身体が準備を整える事。。。。。。。気力・気迫・元気・意気揚々
勁とは、行為目的達成の為に働く力の事。。。。。。。。懂勁・勁力・弾力・纏絲勁

意/気/勁は、身体の中の感覚なので、言葉で表現するのは難しく、私の現在のレベルでは、こんな説明しか出来ないが、もっと感覚が明確になって来れば、詳しく説明できるかもしれない。そうなりたいものだ。。。。