New1TR’s blog

太極拳の事について書こうと思います。

460)踏み込み反力と体幹の力

我々が移動できるのは、地面を踏み込んで返ってくる反力を活用しているからである。

地面を踏んだ時の反力は、陸上競技で走る時も飛ぶ時も、武道で相手に技を掛ける時も、日常生活における手の曲げ伸ばしにも、利用されている。

反力の大きさは、①踏み込む力(自体重/自分の身体の伸展力/姿勢維持力の大小)と②接地面の条件(摩擦力/弾力の大小)で変わって来るし、その反力がうまく活用出来るかどうかは、足元から手指までの伝達姿勢とその姿勢の維持力に左右される。

氷の上では滑って上手に踏めないし、ぬかるみでは十分な反力が返って来ない。姿勢を維持すべき体幹が弱ければ、踏み込んだ瞬間ぐらついて、地面に十分な力を加えられない。反力の伝達姿勢が正しく維持されていなければ、その力は足元から手指迄の途中でロスってしまい、うまく活用出来ない。

体幹を構成する筋肉のうち、アウターマッスルはジャンプやダッシュなど大きな力を発生させる際に重要な働きをする筋肉であり、インナーマッスルは、姿勢維持を担う筋肉で、急激な負荷変動に際しては、主動筋に先行して、体幹部を有るべき姿勢に準備させる筋肉でもある。準備が不十分で大きな力を扱えば危険だからだ。

即ち、力をうまく使うには、まず身体が、有るべき姿勢に準備した後、踏み込んだ足に自体重を乗せる瞬間に、股関節と脚を伸展させて反力を得る。その反力は準備した姿勢のおかげで、足元から手指に向けて効率よく伝達されると言う訳である。

踏み込み反力を最大にして、それを100%活用する為には、体幹の力、特に、姿勢維持の為に働くインナーマッスルの力が欠かせない様に思う。