太極拳を習っている中で「相反する動作が、助けてくれている」と感じる事がしばしばあります。
例えば、起勢の定式の少し前に、虚領頂勁、尾閭正中で背筋が伸び頭が上方に持ちあがる意識が有るから、下に抑える両手が生きて来る。
野馬分鬃の定式少し前には、弓歩で腰が前に送り出されるけれど、虚領頂勁で背筋が伸びると同時に、胸と背中が後方に広がる意識が有るから、前に分ける掌が生きて来る。
下勢独立の下勢では、鉤手の後方への張りが、前方への穿掌を迫力あるものにするし、独立では、前の手が抑えを効かすから、後足がスムーズに上がり、安定した独立を成功させます。
自分の身体のすべてが同じ方向に向かうのではない。
前後左右上下に広がる意識が大切。
丹田から上は上へ、丹田から下は下へ。
見えない方の手を忘れない。見えない方の手を生かす。
こんな事をいつまでも言われて居てはいけませんね。