New1TR’s blog

太極拳の事について書こうと思います。

388)丹田の力が安定感を生む

少し前に、京都一周トレイルに参加して、東山→北山→西山を歩いた事が有る。

その時、台風の影響で沢山の杉の木が、根こそぎ倒れて居るのを見て、すらっと高く伸びた杉の木の根っこが、こんなに小さくては、倒れるのも当たり前だと思ったものだ。

今振り返ってみれば、以前の自分が目指していた太極拳は、まさにあの杉の木の様だった様に思う。蹬脚で足を高く上げる見た目のカッコ良さ、下勢独立で低い姿勢からすっと片足で立つ時の華麗さを追っかけてばかりで、根っこの事を考えてもいなかった。

最近になって、蹬脚や金鶏独立の安定感は、ヤジロベーの様な安定感ではなく、どこから押されても、どこから引っ張られて、もびくともしない様な安定感、大地にしっかりと根を生やした安定感の延長線上に有る事に気が付いた。

身体を上へ引き上げ、虚領頂勁立身中正で意識する体軸と、浮き上がろうとする重心体幹から脚へと繋いで、下に落とし込む丹田の力があって、初めて安定感ある動きが出来るのだ。

講習会では「丹田から上は上へ、丹田から下は下へ向かわせる意識で」とか「丹田を中心に全方向に風船が膨れて行く様な意識で」套路をしなさいとよく言われたものだ。

その意識で套路を練習してきた中で、私が感じた事だが、丹田とは、横隔膜腹横筋骨盤底筋群で形成された腹腔に出来たエネルギーの塊みたいな物で、その強弱は別として、上方へは引き上げる力となり、下方へは落とし込む力となるし、前後左右には広がる力ともなるという事。

体幹と脚を繋いで、丹田の力を下方へ落とし込めば、足がしっかりと地面を捉え、安定感ある動きが出来る事になる。

今後は、①腹腔に感じるエネルギーの塊=丹田を感じ続け②体幹と脚を繫ぎ③丹田の力を下方へ落とし込む事で、安定感のある套路を目指して行きたい。