New1TR’s blog

太極拳の事について書こうと思います。

431)上半身と下半身の連動

若い女性がハイヒールを履いて歩いている姿を見て、をもっと伸ばして、綺麗な姿勢で歩いて欲しいと思った事が何度も有る。

をスッと伸ばし全身を使って歩けば、地面からの反発力が、の負担にならず上半身に伝わって、身体を引き上げる力となり、軽快に歩く事が出来るのだ。

を曲げて股関節から下だけを使って歩く様だと、上半身と下半身は連動せず分断している為、地面を踏みつけて歩く事になり、地面からの反発力を下から上へ引き上げる力としてうまく使えず、身体が落ちた重々しい歩き方になってしまう。

綺麗な姿勢で歩く為の要求事項は、太極拳と基本的には同じなのだ。と言うか、体操の床運動でも、バレエでも、ダンスでも、走る時でも、上半身と下半身を連動させ、地面からの反発力を使って身体を引き上げると言う基本は同じだと思う。

上半身と下半身の連動大きく寄与しているのは、腸腰筋(①腰椎大腿骨を繋ぐ大腰筋と②骨盤大腿骨を繋ぐ腸骨筋 )であろう。この筋肉がしっかりと働く事で、地面からの反発力が上半身に伝えられるし、身体も引き上げられるのだ。

股関節から下だけが足だと思うのではなく、大腰筋の起始部(腰椎)からが足である、と言う意識をもって足を動かすなら、上半身と下半身の連動が得られるはずである。

現代は、運動する機会や長距離を歩く機会が減り、逆に長時間椅子に座ってパソコンを操作し続けると言った機会が増えたので、努力しないと腸腰筋が衰えてしまい、綺麗な姿勢を維持できなくなる。

常に腹部を上下に張り伸ばす意識と正しい姿勢を保つ意識を持ち続け、更には積極的に腸腰筋を強化する努力も必要だと思う。

 

蛇足だが書いておく。武術の世界には、丹田を使う・を作る・腹の張りを保つ  と言うような言葉がある。これも、腰椎骨盤大腿骨を上手に結び付けた姿勢を保つ事で、全身の連動性を高め、重力や地面からの反発力を効率的に使おうと言うものだと思う。