New1TR’s blog

太極拳の事について書こうと思います。

307)太極十要

楊澄甫の「太極十要」=太極拳の十個の要訣を、備忘録として下記して置く。

虚領頂勁(きょりょうちょうけい)
首すじを真直にのばし、アゴを引き、頭頂が上から吊られた様な姿勢になる事。うなじをリラックスさせ、頭を頸椎の上に乗せ、頭を支える力を使わずに済む姿勢でいる事。

含胸抜背(がんきょうばっぱい)
胸を内に含み、背筋をなだらかに曲げ、背骨を緩める。気をつけと正反対の姿勢。呼吸は全身に酸素を供給するスタミナの源であるから、背中の力は抜き、胸は張らず、猫背でも無く、呼吸しやすい姿勢でいる事。

鬆腰鬆胯(しょうようしょうこう)
太極拳では全身を緩める事が大切で、全身の要である腰と股関節を緩める事。腰と胯に余計な力を入れず、敏活に動ける姿勢でいる事。

虚実分明(きょじつぶんめい)
動作時、実の動作部位と、それを支える虚の部位を分け、転換・牽制・強調させる事。

沈肩墜肘(ちんけんついちゅう)
全身の力を無理なく手に伝える為、両肩を沈め、肘を下に向ける事。肩を沈め、肘を落として、血圧の上昇を抑え、気血の流れがスムースな姿勢でいる事。

用意不用力(よういふようりょく)
意を用いて、力を用いずの意。相手の力の量と方向を知り、その力を借りる事。力に、力をもって抗するのではなく、意識・意念を使い、相手の力を利用する事。

上下相随(じょうげそうずい)
手と足の動作と視線の変化を互いに調和させながら動く事。上半身と下半身を繋げて地面に落とした相手の力を、反発力としてうまく返す為に、全身を力の流れに沿って動かす事。

内外相合(ないがいそうごう)
身体の内と外の一致。意思の力で全身に気を巡らせ、気によって身体を動かす事。意を以て気を導き、気を以て身体を導く。内(意と気)と外(身体)を一つにして動く事。

相連不断(そうれんふだん)
一つの動作から次の動作に移る時に、止まったり、途切れたりしない事。身体の中心軸を意識し、動的バランスを取りながら動く事で、息の乱れをなくし、一瞬も切れる事なく、相手に勁力を伝え続ける事。

動中求静(どうちゅうきゅうせい)
動作の中に静けさを求めるの意。動きは、静かに、意識を張りつめて行う事。