New1TR’s blog

太極拳の事について書こうと思います。

419)太極拳で要求される柔らかさ

太極拳で要求される身体の柔らかさを考える時、いつも思い出すのが、一昔前の大横綱大鵬の相撲であり、身体つきだ。

私が中学校に通う頃には、テレビが一般家庭にも普及して、相撲では大鵬柏戸が東西の横綱を張る「柏鵬全盛時代」であった。大鵬は「柔」の代表で「巨人、大鵬、卵焼き」と並び称された様に、子供達のヒーローであり、憧れだったし、女性にも人気が有った。一方の柏戸は、直線的なスピードで勝負する「剛」の代表として、成年男性の人気を博していた様に思う。

相手が頭で当たって来ても、吸収してしまう大鵬、相手よりも強力なパワーで跳ね返し押し返してしまう柏戸、と言う風に、取り口には対照の妙があって、見る者を興奮させたが「剛」の宿命と言うべきか、柏戸には怪我が付き纏い、休場する事も多かった気がする。

太極拳では、パワーとスピードを武器にした柏戸的な強さではなく、相手の当たりを吸収してしまう様な柔らかさを持つ大鵬的な強さが要求されるのだと思う。

太極拳で求められる柔らかさとは、
①    単に肩関節の柔軟性とか股関節の柔軟性とかを言うのではなく、
②    筋肉に筋張った所がなく、筋肉の外側をクッションゴムでおおった様な、ゴム毬の様に掴んでも掴み甲斐が無い、押しても押し甲斐がない、柔らかさであろう。

相手に軸/芯を捉えさせない為に、今1つ別の柔らかさ(Hip-Hopのウエーブをする時の様に脊椎の一個一個を滑らかに動かして軸/芯のずれを調整できる柔軟性)が必要だと思う。それが使えれば、化勁も上手に出来る様な気がするのだが。。。。。。。