伝統太極拳は各流派が、それぞれに違う理論や方向性を持っていて、一般に普及させるのが難しい為、これらの共通部分を抜き出して、動作の始点/終点とそのルートを言語化し、普及させ易い套路として作られたのが簡化太極拳。
簡化太極拳は、戦闘/護身/武術的な要素を求めずに、健康/養生的要素を主たる目的にして、一般に普及させようとして作られた健康体操太極拳。
②健康体操太極拳にする為に、一番簡素化した部分はどこ？
躯体、股関節、肩甲骨への要求事項は極力簡素化し、手足動作の始点/終点とそのルートへの要求事項を主として言語化。
身体の中の動きがこうだから、手の位置がこうなってしまう。と言う説明は難しいので、手の位置はここに持ってくる。と言語化。
気の巡り、勁の話は省略されているし、必要な筋力、柔軟性の話も省略されている。
従って、健康体操以上のパフォーマンスを発揮する機会を増やすなら、正しい姿勢を維持出来る様、必要な筋力と柔軟性を確保し、躯体、股関節、肩甲骨への要求事項を満たす為の、更なる鍛錬が必要である。
さもなければ、股関節や膝の故障を招きかねない。
しかし現在の、日本における太極拳愛好者の多くは中高年であり、私を含めた多くの中高年は、健康維持/増進の目的で、簡化太極拳を習っているので、無理をしない範囲で動くならば、その目論見は成功していると言えるのだろう。
