健康太極拳は、自分の内側の感覚を磨き、身体のどこにも緊張がない放鬆した状態を維持する事で、健康増進を図ろうとする運動です。
筋肉を動かそうとすればする程、交感神経が優位になります。
放鬆する事で、筋肉の緊張を解き強張りを無くせば、副交感神経が働き始め、交感神経と副交感神経のバランスも良くなります。
交感神経が高まって緊張するだけの運動と比べて、太極拳は、運動してはいるけれど過度に緊張することも無く、リラックスまでも出来てしまう運動であり、その事が健康増進の効果をもたらすのだろう。
武術太極拳では、なぜ放鬆が求められるのだろうか？
太極拳は「用意不用力」と言う言葉にも有る様に、自分の力を使わず、意を用いて相手の力を利用する武術である。
その為には、相手の勁力を感じる能力とその向きを変化させる能力が必要になる。
自分の姿勢を維持する為に、意識して筋肉を使えば使うほど、相手の勁力を感じるセンサーが鈍くなり、向きを変化させる時に、自分の筋肉の強張りが邪魔になる。
だからまずは、筋肉の強張りを無くした姿勢を維持する事（＝放鬆）が求められるのだろう。
