手揮琵琶が終わって、倒巻肱に入る時の分手とそれに続く収臂の動作で、目線はどの様に動かすべきか、最近迄悩んだが、自分なりの結論として次の様に整理した。
①手揮琵琶の後、分手の為に右手を下に落とし、肩甲骨の下側が広がって、右手が上がり始め、左手が前方向に伸び始める時点では、目線はまだ左手の前方を見ている。
②右手が徐々に上がって、分手が完成するまでの間に、目線は等速で水平に、右手方向に移動していく。
③分手の完成にぴったりと合うタイミングで、目線は右手に向けられる。
④分手が完成したらすぐに、目線が右手を引っ張る形で先行して動き、収臂が始まる。
⑤収臂が始まった後は、視界の端に右手を捉えながら、目線は左手前方に向かう。
⑥収臂が完成した時には、目線は左手前方を見ている。
目線の移動は、両手両足の動きと協調して行われる。結節点毎に、両手両足の動きと目線が、きっちりと纏まる事で、切れの有るすっきりした套路が可能になると思う。
套路が決まっていると、ともすれば顔が先行して動き、目線が後を追い掛けてしまうが、実戦では、相手を感じたら、そちらを見ようとして、必ず目線が先行する。重い頭が、顔が、軽い目線より先に動く事はないはずだ。
套路が決まっている24式太極拳であっても、相手の動きに対応する為であれば、常に目線を先行させるべきだと思う。
2021.06.30追記
倒巻肱の分手の様に、相手の動きに対応する為、その方向へ手を動かす場合は、目線の方が先行すると思いますが、攬雀尾の捋で下に落とした両手で、相手を斜め後ろに飛ばそうとする場合は、目線を残したままで、両手が斜め後ろに動き始めると思います。すなわち、対応に行く時と、対応後の技を仕掛けている時では、手に対して目線が動くタイミングは違うと思います。