New1TR’s blog

太極拳の事について書こうと思います。

275)蹬脚と下勢独立

24式太極拳演武の見せ場は、蹬脚と下勢独立だろう。蹬脚ではどれだけ安定して高く足をあげるか、下勢独立ではどこまで低く地を這ってから安定した片足立ちが出来るか、上手な人の演武には、その辺りの安定性が有って、見る人の目を引き付ける。

しかし、60歳70歳で健康の為に太極拳をやっている私たちに、そんな真似はとても出来ないし、それを目標にするのは間違いだろう。若い人達とは違った意味で、味のある蹬脚と下勢独立をしたいのだが、その為にはどこに注意をしたらいいのだろうか。思いつくままに纏めてみようと思う。

【蹬脚】
①無理に足を上げない。きっちり踵で蹴る。身体の後傾が無く、静止時間がとれて、そっと足を下せる角度を見つけ、その角度迄でしか蹬脚をしない。
②分手した前の手の方向と踵の蹴り出した方向と目線の方向を一致させる。
③定式になる時の手/足/目線のタイミングも同期させる。
④足を上げない分スピードが速くなりがちなので、意識してゆっくり目に、均一なスピードで行う。
⑤高探馬から左手を刺し込み、分手しながら弓歩になる所、収脚しつつ両手を下から胸前経由顔の前に上げる所、双峰貫耳から転身して左足を寄せ、両手を下から胸前経由顔の前に上げる所、その他の結節点でも、放鬆し、緩んで繋いで広がるを実行する。

【下勢独立】
①横斜め後方に足を出す時には、軸足の体重が、出した足に引っ張られない範囲の歩幅にしておく。重心の移動が無い範囲の歩幅にする。
②鉤手にした手は出来るだけ長い間上に持ち上げておく。この時目線は鉤手の高さを保ち、上半身が傾かない様に気をつける。反対側の手は、下に抑えてから、指先を前に向け、体重が前足に乗って行く時に、前方に差し込んでから、上に持ち上げる。その時に初めて鉤手が下がり、前の手と鉤手がヤジロベーになる。
③後足を伸ばして爪先を内に入れる動作と鉤手している腕の内転動作を同期させる。
④前足に乗り込んで行く時に、身体を一旦後方にさげたり、勢いをつけたりしない。
⑤後足を引き込む前に、後足のつま先が軽くなってい、前軸足にきっちり重心移動した事を確認する。踏実。後ろから寄せられた足は、そのまま持ち上げても良いが、一旦軸足の近くに着地させて、安定を確認してから持ち上げても良い。
⑥前の手は鉤手を解いた後ろの手と、胸前で上下に入れ替わる様、出来るだけ長く前方に保っておく。早く下げ過ぎると下からの手が追いつかない。胸前ががら空きになる。

この様な事に注意しながら蹬脚と下勢独立の練習をしたいと思う。