このところ、入門太極拳をやる機会が増え、入門太極拳で自分が注意すべき歩法について、新たな発見が有った。南向きで套路を開始した前提で、注意すべきポイントを整理しておこう。
①手揮琵琶の注意点。
最初の手揮琵琶は、左足を軸足にして、右足を南西方向に出しての虚歩である。左足爪先はもともと南に向いているから、左軸足と右足の向きは45度開いた角度になって居る。これに対して2回目の手揮琵琶は、右足を軸足にして、左足を南東方向に出しての虚歩となる。右軸足と左足の開き角度を45度にする為には、最初の手揮琵琶が、終わって右足に乗り込む前に、右足の踵を軸に爪先を南方向に向ける動作をすべきである。
②倒巻肱の注意点。
1回目の倒巻肱では、右軸足の爪先は南方向を向いて居る。(①で前もって南に向けた)
2回目以降の倒巻肱では、軸足の爪先は南方向ではなく、 斜め45度方向を向いている。この差を考慮して退歩した足の置く位置を決めるべきである。
1回目の倒巻肱なら、退歩した足の踵は、南方向を向いている軸足の踵から、適切な横幅を取って、爪先を斜め45度方向(南東向き)にして置く。
2回目以降の倒巻肱なら、退歩した足の踵は、斜め45度に向いている軸足の踵から、真北線上に、爪先を斜め45度方向に向けて置く。軸足の向きは、両手の動きと同期して、踵が外側にひねり出されて、爪先が真南に向くので、その結果、適切な横幅になる。
③野馬分鬃と単鞭の注意点。
軸足の爪先方向に対し、他方足の爪先が、真横90度方向になる上歩(90度上歩)を、初心者が、正確に行うのは大変困難だ。しかも、斜め45度に向いた位置から、90度上歩を開始するのだから尚更である。しかし、入門太極拳の何処と何処に、この90度上歩が現れ、注意すべきポイントは何なのか、知っておいて損はないだろう。
㋑倒巻肱の定式から、左足を寄せ抱掌して、左野馬分鬃へ向かう左足の上歩、
㋺左野馬分鬃の定式から、右足を寄せ抱掌して、右野馬分鬃へ向かう右足の上歩、
㋩右野馬分鬃の定式から、左足を寄せ右鉤手で、左単鞭へ向かう左足の上歩、
㊁左単鞭の定式から、右足を寄せ左鉤手で、右単鞭へ向かう右足の上歩、
が、90度上歩で、これらの上歩をする時と、その後に軸足を蹴り出す時の注意点は、
㋑上歩する時に、軸足の膝と爪先の向きは、同じ方向をキープし、捩じれない事。
㋺上歩する足は、軸足の踵を蹴り出した後、適切な横幅の取れる位置に出す事。
㋩軸足の蹴り出しに、過不足がなければ、蹴り出し後、軸足爪先はほぼ南向きになる。
㊁軸足の蹴り出しは、軸足の母指球を中心にして、踵を外方向に蹴り出すのだが、あまり踵を浮かさないで行う事。
以上が、新たな発見でした。