New1TR’s blog

太極拳の事について書こうと思います。

324)上歩の注意点

今回から暫くの間、野馬分鬃に必要な歩法「上歩→弓腿→弓歩→后坐→碾歩→収脚」の一連の動作の注意点を纏めて行こうと思う。 

【90度上歩=シャンプーの注意点】

①上歩とは、軸足でない方の足を、進行方向に出して、着地するまでの動作である。

②起勢から1回目の野馬分鬃に向かう時の様に、軸足の爪先の方向から、90度真横に上歩する事を、90度上歩と言う。

③90度上歩を、通常の上歩の形に近づける為には、両鼠蹊部を開きながら、身体を進行方向に45度だけ向ける必要がある。

④上歩する足側の鼠蹊部だけは、更に開いて、正確に進行方向に向ける。この時、身体は45度方向のまま維持し、進行方向に向け過ぎない事。

⑤軸足爪先と膝は元の位置に保持するが、上歩時軸足爪先と膝の間に捻れが生じぬ事。

⑥上歩する足の踵は、軸足の踵よりも更に後方に降ろし、弓歩時の横幅を確保する事。

⑦前後幅は、控え目にして踵を降ろす事。軸足踵を蹴り出した後に、広くなる為。

⓼上歩する足の爪先は進行方向にしっかり向け、内側に入らぬ様に降ろす事。

⑨上歩で踵をつけた後、膝を伸ばして爪先を降ろしては駄目。一息つく様に身体を寛げて、股関節を緩め、前膝がさらに曲がる感じで、足裏全体をそっと着地させる事。

⑩足裏全体が着くまでは、身体を前に動かさない事。踵が着地する時に、体重が前足に引っ張られしまうと、出した足を戻すと言った、武術的臨機応変さが無くなる為。

【通常の上歩の注意点】

①2回目や3回目の野馬分鬃に向かう時の様に、軸足の爪先の方向から、斜め45度に上歩するのが、通常の上歩である。

②上歩する足側の鼠蹊部だけを開いて、正確に進行方向に向ける。この時、身体は45度方向のまま維持し、進行方向に向け過ぎない事。

③上歩する足の踵を降ろす時は、足の前後幅は控えめに、横幅は大きめにする事。

④上歩する足の爪先は進行方向にしっかり向ける事。

⑤膝を伸ばして爪先を降ろすのではなく、一息つく様に身体を寛げる事で、股関節をゆるめ、前膝がさらに曲がる感じになって、足裏全体をそっと着地させる事。

⑩足裏全体が着くまでは、身体を前に動かさない事。踵が着地する時に、体重が前足に引っ張られしまうと、出した足を戻すと言った、武術的臨機応変さが無くなる為。

【上歩する時の身法上の注意点】

①腰と胯を緩めながら、頭頂を上に引き上げた様に、伸び伸びとした姿勢でいる事。

②足を出す時も、体重を移動する時も、動作を開始する前には、必ず身体の弾力が使える様に準備する事。準備した弾力を使って身体を動かす事。

50m競走のスタート時、用意!ドンに備えている時や、ジャンプしようと身体を沈めた時を思い出してみると、筋肉がこり固まっているわけではなく、手も足もすべてが弾力を持った状態で、身体の中心と繋がって居る。これが求める準備である。

③足を出す時も、体重を移動する時も、移動速度を均一にして、ゆっくりと動かす事。