New1TR’s blog

太極拳の事について書こうと思います。

88)過去身

弓道の世界には「過去身」「現在身」「未来身」という言葉があり、弓を引く時の、足の位置決めから矢を放つまでを3つのステップに分けて、弓を引く準備をする段階を「過去身」、弓を体の前方に高く上げ、徐々に弓を引いていく段階を「現在身」、矢を放つ段階を「未来身」と呼ぶらしいです。

このうち「過去身」では、足の位置/向き、上体の構え、顔の向き、顎の引き方、腕/手/指の使い方等々、体の細部に至るまでを準備する段階ですが、この姿勢が拘り無く、正確に行われ、ルーチンとしてリズムが出来て来ると集中力が高められ、的に正確に当たる確率が増すらしいです。

中でも、頭を上に引き上げ、肩を落とす事が重要で、これによって動作中に目線の上下動がなくなり、狙いが正確になるのと、丹田に気が集中して精神統一が出来るらしいです。

丹田に力を込めるのは、初心者が陥りやすい過ちで、これによって身体の色々な筋肉が緊張してしまい、狙いの正確性が損なわれるとの事。

太極拳でも虚領頂勁とか、首の後ろを伸ばすとか、肩を落として胸を寛げるとか、同じ事を言われている様な気がします。