New1TR’s blog

太極拳の事について書こうと思います。

421)審判研修会1/2

審判員の技能向上と新審判ルール確認の為に、審判研修会が実施されたので参加した。

 

今回の審判研修会は、審判資格取得者だけでなく、指導者、コーチ、選手も参加可能との事で、審判経験が長いベテランから、審判員ではないが選手としての経験が長い人迄、多彩な人が参加しておられた。

3時間の研修内容は、①2022年度県大会の総括②審判ルールの一部変更③24式太極拳総合太極拳、32式剣、42式剣の打点研修であった。

審判資格取得者でない人も参加されている事から、③の打点研修に先立って「2005年国際武術套路競技規則」についての説明もあった。その内容を以下に記す。

 

A組審判員は3名、5点満点から0.1点単位の減点法で、動作の質を見る役目の審判員。
B組審判員と審判長の計4名は、5点満点を0.01点単位の、3レベル9級に分けて、演技レベルを見る役目の審判員。

 

A組審判員はあらかじめ定められたチェック項目だけを審判する。24式太極拳の場合、概略で言えば①バランスの崩れの有無チェック②歩型/歩法のチェック項目8つ③蹬脚のチェック項目2つ である。手型/手法及び上下協調に関するチェック項目は定められてない為、これらは、A組審判員の審判範囲には入らない。

バランスチェックと他の10個(8+2個)のチェックは套路名称毎に行われ、A組審判員の3人中2人が減点該当と判断した場合に減点され、演技が終了後に残った点数が「動作の質」の得点となる。

套路名称毎にチェックされる為、弓歩で膝が爪先より前に出る等の、習慣性の癖は致命的で、下手をすると10回以上、減点が累積される事になる。

套路名称毎とは、左右野馬分鬃で1つの套路名称なので、ここの弓歩の3回とも、膝が爪先より前に出たとしても、減点は0.1x1回とカウントされ、左右野馬分鬃の右弓歩で1回、左右摟膝拗歩の右弓歩で1回、膝が爪先より前に出た場合は、減点は0.1x2回とカウントされると言う事。

 

B組審判員と審判長の4名は、手型/手法、上下協調、勁力の充実、力点の正確さ、手法/眼法/身法/歩法の調和、リズム、風格と言った観点から演技レベルの審判を行い、4人の採点の上下を除いて、残2人の平均が「演技レベル」の得点となる。ここには、あらかじめ定められたチェック項目と言ったものは無く、観点が示されているだけの為、B組審判員の眼力が、問われることにもなる。

 

A組審判員による「動作の質」の得点と、B組審判員による「演技レベル」の得点の合計が有効得点で、そこから審判長減点(時間オーバー等)を加味した後の点数が、その選手の得点となる。