太極拳をしていて、悩ましかった言葉「腰」について書いておこうと思う。
中国語の「腰(yāo)」を、日本語で「腰(腰椎と仙骨と骨盤)」の事と単純に思って居た。それは間違いで、中国語の「腰(yāo)」は「腰椎下部と仙骨だけ」を指すのだ。
だから、中国語で「腰(yāo)」を回すと言うのは、日本語の「腰」を回すと言う意味ではなく、骨盤は動かさず「腰椎下部と仙骨だけ」を回すという意味だ。
もちろん「胴回り全体(ウエスト部)腰椎上部~胸椎下部」を回すという意味でもない。
骨盤もウエストも動かさないのだから「腰(yāo)」を回せる角度は、少しだけなのだ。
攬雀尾の掤の時、「腰(yāo)」を回わして、胸は相手に正対させても、骨盤を回す事はせず、円襠が確保される様にすべきだ。
海底針で右手を斜め下に刺し込む時、「腰(yāo)」を回して、胸は東側相手に正対させても、骨盤を回す事はせず、お尻が右へはみ出さない様に、右足爪先と右膝が捻じれない様にすべきだ。
簡化24式太極拳規定套路の中で、最も膝の負担が大きいと思われるのが、海底針だ。爪先/膝と腰の相対的位置を間違ったまま、腰を低くして、海底針の練習をするのは、大変危険だと思う。
あまり腰を落とさず、体重を右足に片寄らせず、左足にもちゃんと分担させて、さらっとやるのが、お薦めだと、言われた事も有る。