New1TR’s blog

太極拳の事について書こうと思います。

467)腕と身体の一体化①

腕と身体を一体化して、身体と繋がった腕を使う、空の手を無くすには、どうすれば良いのだろうか?

 

腕が身体と一体化すると、腕は軽くなる。無駄な筋力を使わずに済むので、柔らかい動きが実現し、相手も力とか重みを感じない。自分も相手の抵抗を感じないので、筋力を使わず相手を動かせる。これが太極拳で求めるべきものだ。とよく言われ、悩んだものである。

 

外観的な姿勢/形/経路に注意を払う事で、腕と身体の一体化を感じるには、起勢で腕を上げる時の動作が適しているように思う。腕を上げる時は誰もが、首筋を伸ばし肩を下げる事に注意しながら動作しているはずだ。
この時、①肩を下げるのに合わせて肩甲骨も一緒に下げる②肩と肩甲骨の両方を身体の後ろへ回わす様にして下げる③肩と肩甲骨を下げるのに合わせて首筋を伸ばす。
この①②③に意識を集中すれば、腕と身体が一体化した感じを、少しは得られるのではないかと思う。

 

しかし、外観的な姿勢/形/経路を整えるだけでは、腕と身体が、真に一体化出来る訳ではない。内外相合という言葉がある様に、身体の内側も、きっちりと、整える事が必要なのだ。

 

身体の内側を整える力の源は、腹圧の高まり/肚の力/丹田の力である。肩を沈め、息を吐きながら横隔膜を下げると、腹圧/肚の力/丹田の力が高まって、腰を後ろに張り出し、尾骨を下に引き込むように働いてくれる。その時、首筋を今少し上に伸ばす様にすると、背骨は真っすぐに伸ばされ整ってくる。

 

外観的な姿勢/形/経路を整え、腹圧/肚の力/丹田の力を高めて、身体の内側/背骨を整えると、肩甲骨が下に引っ張られ、脇を経由して腕も引っ張られる。ぶらぶらと自由に動かせていた腕が、身体(脇/肩甲骨/背骨)に引っ張られて、腕だけでは勝手に動かせない、身体が腕を動かす様になる。これが、腕と身体の一体化なのだ。