New1TR’s blog

太極拳の事について書こうと思います。

167)中央研修会

先日太極拳の中央研修会に参加した時、推手の上手な人に教えてもらった事を書き残しておく。

①正しい位置に立っている人からの勁力。
上手な人を相手にした時は、相手の胸の真中を軽く押したら、その力は相手の足裏に落ちて、跳ね返ってくる。その勁力をちゃんと聴き取れるか。これが聴勁である。

②放鬆して正しい位置に立つ。
自分一人が、放鬆して正しい位置に立った時、足裏は地面に均等にベタッと吸い付いて居る。初心者の場合は正しい位置に立ったことをきっちり確認してから、次のステップを始めてもらおう。

③他の人が力を加える。
放鬆して正しい位置に立った後、他の人が力を加えると、その力は横方向ではなく足裏に向かう力に変換される。一瞬、片方の足裏が濃く成るが、次の瞬間、身体に前後/左右/上下に、風船のように広がろうとする弾力が生じる。その弾力は、足裏の濃さを元の均等な濃さに戻そうとする力となって働く。

④姿勢を維持しようとする筋肉の反射的な働き。
濃さを元の均等な濃さに戻そうとする力は、姿勢を維持しようとする筋肉の反射的な働きであり、自分の意思で動かした気はあまりしない。逆に意思で動かそうとするほど、放鬆が緊張に変化し、反射的な動きを制限して失敗する。出来たのは、反射的な働きだから、本人は「やった感」がしないけれど、相手にはその力が確実に伝わっている。

⑤相手以上に放鬆を。
相手が力を加えてきた時、相手以上に放鬆して力を吸い込めば、相手の足裏は浮きあがり、接触点に支えを求めて、離れる事が出来なくなる。その状態で接触点を移動すれば、相手は否応なくそれに追従してくる。

⑥繊細な感覚を養う。
初心者がペアでやるのは、繊細な感覚を養う練習でもある。強く推し過ぎてはいけない。初心者の場合、それなりに放鬆していても、強い力で推されると、放鬆の姿勢が崩れてしまい、筋肉を総動員して頑張ってしまう。これでは推す側が聴勁する練習も出来ないし、受ける側が勁力を相手に返す練習も出来ない。

⑦双方が練習している。
相手が正しい位置に立っているか確認する為の小さい力を加えて、その位置をキープ出来ている範囲で、力を吸収させて行くと反力が返ってくる。その反力を受けて飛び去る迄が一連の練習である。推す側は、主に聴勁の練習と、帰ってきた勁力を受け流す練習である。受ける側は、放鬆の練習と身体をつないで勁力を返す練習である。

以上の様な事を教えてもらった。感謝です。