太極拳の先生の指示で、エアーキャッチボールするのを見た。
バスケットボールより少し大きくて、少し重いボールをイメージして、実際に持っているがごとく投げる、受け取る、そんな動作である。
当人たちの演技は素晴らしかった。手だけではなく、身体を使っている。
しかも体を動かす前に、投げるぞ!受け取るぞ!と言う意思が、見る者に伝わってきた。
まず投げるぞと思えば、身体は自然とその準備をするし、その後もバランスよく動いてくれる。
腹に力を込めてとか、腰を落としてとか、手をどうとか、個別の指示をいくつ積み上げても、こんなに上手にエアーキャッチボールは出来ない。
「意思が先に有るから上手にできる」と先生は言う。
太極拳の套路も動作の前に、次はこう動くぞと、明確な意思さえ持てば、体が自然とその準備をしてくれるし、動いてくれる。手や足、個々の事をあまり気にしない。眉間にしわを寄せない。子供の様に輝く目を持って、ただただ、足裏の感覚と広がった時の気持ちよさを味わう。これで良いのだ!!